根岸の物置

「時の物置」稽古日記

■2004/05/31 (月) 08:13:38 変化

みんなそれぞれの心の中で、考える事があったのだろう。
新しいスリルと、いい緊張感のある通しだった。

私も頭をベストコンデションにして、一緒に板にいる人の言葉を敏感に全身て受け止められるよう、そして、自分の中に生まれる思いの表現を新たに模索しつつ、3つのシーンの変化も、自分的には今迄以上に意識してみた。
特に私の最初のシーンは合評会なので、理屈っぽい台詞も多く、その裏には閉塞感のある男女関係があったりするので、その含みも観客に面白く伝わらないと活き活きしてこない。
そのシーンは三人なのだか、お互いの意識が今迄より、くっきりと感じられた。
通し稽古が終わってから、三人で自主トレしてみた。
それぞれ腑に落ちなかった処、気持ち悪い処、相手のリアクションに対しての意見、忌憚の無い処、思いきり言い合って、相談して、なんだかとても良くなった気がする。
次回通しが楽しみだ。

■2004/05/30 (日) 08:18:48 永井さん登場

通し一幕の途中で、いらっしゃった。
残念ながら、私の最初の出番の後だった。
稽古場に、いつもと違った緊張感。
終わっての感想、
現代は人が均一化されてしまってきたが、この作品では、この時代のそれぞれの社会的背景、身分、職業、その差がもっと色濃く出て欲しい。

まさに全体のテーマに関わる指摘なので、う〜ん、なんだかみんなして暗くなってしまう。
私の事務所社長も来ていたので、感想を聞く。
永井さんと同じ事を感じたと。そして私に関しては、3つのシーンの違いを一人の女性が持つあらゆる側面を鮮やかに演じ分けて、と前向きアドバイス。
そうだな、まだまだやれる事は一杯あるな、と、チャレンジに向かう元気貰った。社長に感謝。

きっとお客さんは楽しんでくれるだろう。でも、きっと『これでよし』はずーっとないのかも。

■2004/05/29 (土) 11:27:57 5回

あと稽古場で通せるのは5回。
それを『5回しかない』と考えるか、『5回もある』と思うか。
演技するんじゃなくて、この中で役を生きましょう!と演出の言葉で通しを始める。
若者グループが、芝居を固めるのではなくて果敢にチャレンジしていて、潔く、爽やか。
一人がテンションあげると、お互いに影響しあって、とても良くなったりする。生物だなぁ。
午前中ジムでウォーキングしながら、ひつこく台詞覚え用自主トレMDを聴いていたのが、良かった気がする。
もう条件反射にしてしまって、そこからの余裕で、板の上で感覚を研ぎすまし、感じられる事を、その時を大切にして....

■2004/05/28 (金) 08:39:57 衣装合わせ

稽古場のセットの上が巨大なウォーキングクローゼットと化す。
場面ごとに衣装を着替え、同じシーンの出演者が並び、バランスを見ていく。
学生達のトックリセーターに思わず「若者たち」を歌ってしまう。
「ああ、こんな刺繍のセーターあったなぁ」「母が編み機でセーター編んでくれたなぁ」「あの頃、編み機って流行ってたよねぇ〜」と、やたら郷愁に浸ってしまう、同世代女優達。
舞台の設定が12月なので、かなり厚着。
こりゃ、汗だくだぞぉ〜とみんなビビる。
外掘は埋まった、さぁこれからだ!

■2004/05/27 (木) 08:14:48 落ちこぼれ気分

正直、自分的には最低の出来だった。
今迄完璧だった筈の台詞がボロボロ。

通しを終えて、江守さんのコメントは「今迄で一番いい出来でした。良くなってます。」
確かに。
みんなコンビネーションにリズムが出てきて、それぞれのグループに和が産まれてる。人と人。相手の反応が新しい反応を増幅する。
江守さんの芝居を観ていると、行間に一杯可能性があるんだなぁ〜と、新しい発見に目を見張ってしまう。

駄目出し後の江守さん稽古のまとめの言葉「これからもっと、この家に慣れましょう。そして馴染みの人は、より馴染んで」

ちょっと落ち込みつつ、『慣れしかないな...』

■2004/05/26 (水) 08:23:18 これから毎日通し

自分でいくら台詞の稽古を繰り返していても、板の上でやっていないと、フッと何でもない、いつもスラスラ出ていた処で突然つっかえたりする。
毎日の繰り返ししかないですよねぇ〜なんて話を稽古前に有馬さんや楽子さんとする。
有馬さんはいつも、とても早く稽古場入りなさって、到着した共演者に次々、「ここやりましょうよ」と情熱的に自主稽古なさっている。
本当に謙虚に真摯に誠心誠意、芝居に打ち込まれる。
頭が下がる。
さぁ、いよいよ江守さんも出番全て役者として参加しての通し。
通しを繰り返して芝居の流れを掴んでいく事が、特にこの芝居はとても大切だと思う。
人の出入りが目まぐるしい。
大きな事件が起きる訳ではないけれど、日常を切り取ったようではあるけれど、そこにあるのは演劇的日常。
クスッと笑いながら、時代を振り返りつつ今の日本や日本人を、ちょっと考え直してみたり、何か澱のようなものを観てくださった方の心に残せれば。

■2004/05/25 (火) 09:03:10 深い怖い面白い

幕切れの解釈に、今迄私が思いもつかなかった含みが加えられた。
なる程と思う。作家の永井さんは、それを意図していたのかは分らない。

ちょっと怖くなる。
言葉の裏を自分で読み切れていない箇所があるんじゃないかと。
人間の芝居の深淵をちょっと覗いてしまった感じ。
だから面白いんだなぁ、人間も表現も。落とし穴一杯だけど。

2日稽古場に立っていなかったら、今迄当たり前に出ていた台詞が一ケ所突然出なくなった。ああ、怖い。
自分でいくらやっていても、板の上に慣れていないと、しっくり居られず頭も集中していない。
明日からは毎日通し。それで身体に馴染んでしまえるよう。

終わって、江守さん、雛形さん、河合さんと食事。
当然芝居の話に熱中。言いたい放題。楽しかった。

■2004/05/24 (月) 09:04:57 リフレッシュ

全体の稽古はあるのだが、私のシーンの稽古はないのでオフ。
ちょっと頭を芝居から離して、通常オフモードで過ごしてみようと思う。
映画やテレビの仕事だと、そこに集中して吐き出して、『よし!終わった!』と区切りがつくのだけど、幕が開く迄の、稽古中オフは逆に私には生殺し状態。
始終舞台に立っている役者ではなく、ここのところ芝居生活リズムに慣れていない私にとっては精神衛生上とても良くない。

なので、まず朝っぱらからスタジオボーカルブース。
25日にまた井上尭之さんのイベントで歌わせて頂く事になっているようなので(送られてきた構成表に入っていてギクッ)急ぎ、LAの時のビデオとMDを送って貰った。う〜ん力、入り捲っています。ビギナーイッチョ前に当日セッションなんて、だいそれた事、また凝りもせず、してしまっていいものだろうか?
そりゃ、私は楽しいけど。
でも要望があったと言う事は、やってもいいと言う事ね?と楽観して。
そしてジムでウォーキングしながら前回バンドリハテープを聞く。
こちらもビギナーズラックから新しい壁を乗り越えなきゃのシチュエーション。
考え出すと煮詰まります。これでリフレッシュ?
そしてヨガ。これは心底リラックス。
今日は食生活も1日ダイエットバージョンにしたので、とてもスッキリ。

次回ライブの日程やサックス増やす作戦やバンドの事で頭一杯にして午後を過ごす。
でもちょっと怖いので、夜は半身浴しつつ芝居のテープ通しを二回。
寝る前のマッサージやストレッチもきちんと平常モードにやって、身体はかなりリハビリ出来た。

■2004/05/23 (日) 08:31:34 休み

朝のテレビ電話英会話レッスンも再開。
終わるやいなや、昼のおにぎり、スポーツドリンク、スパッツ等、玄関に既にスタンバって置いた諸々抱えて、ジムへ飛び出す。
TBC(トータルボディコンデショニング)昇降ステップやダンベルのプログラムを含んだ75分のレッスン。
ああ気持ちいい。
この午前中のリズムが長く滞ると、どうも調子が悪い。
英会話の時間を先におさえてしまう事で、パソコンも朝の諸々も、レッスン開始迄に、なんとしても終えてしまう..
この追い詰められた時間の切り方が、私には必要みたい。
午後は、久々にホリスティック治療を受けたかったのだが、予約が取れず、山のような買い物(全て食料)をして家に戻る。
途端にダルさが。
有馬さんの自伝を読み終えただけで、まるで使い物にならない。
夜、動かない頭をどうにか半身浴しつつ、テープ相手に台詞通して再確認。
身体を使うタイプの芝居ではないので、肉体労働者系女優としては逆にエネルギー配分が難しい。
日常生活とのバランスも片足雲の上のような、中途半端な感じ。
こういう時には、兎も角寝てしまおう。

■2004/05/22 (土) 08:34:07 江守さんも入って抜き稽古

演出と出演を兼ねるって、いつも思うのだけど、気持ち散り散りではないのかしら?
でも前回の江守さん演出も、そして渡辺えり子さんの劇団3○○の時もそうだったが、幕が開く迄演出家として、ちゃんと観ていてくれている信頼は裏切られない。
自分が演出だと誰も客観的におさえてくれない不安ってないのかしら?
演出家になりたいなんて気持ちが微塵もない私には、計りしれない。

私に関しては3シーンのうち後半の2シーンの稽古。実は最初のシーンが一番複雑で難しい。「哀」「喜」(と、勝手に命名)は自分自身でも力が抜けて、伸びやかになって来たなと感じていたが、江守さんからも「良くなってきたね」と言われて嬉しい。
ずーっと上手く出来ていない辰巳さんとの含み笑いの掛け合いが、まだまだなのだけど。
家族的な気持ちが雰囲気が稽古場にも出て来て、これが結構この芝居にとって大切な核になる気がする。


| 最新 | 1 | 2 | 3