凍える心に

昨日16日から「シングルマザーズ」上演再開し昼夜2公演終えました。

正直、私個人的には原発、被災地を危惧して、休演の5日間TV、PCにかじりついているうちに
芝居再開のモチベーションをかなり無くしていました。

しかし昨日再開した舞台は役者として生きて来て,初めての感動的な経験でした。
勿論、キャンセルも多く,お客様は3分の2程だったでしょうか?
でもこんな時だからこそ、演劇が必要なのだと、
お客様も求めているのだと肌にビシビシ届いて来ました。
一緒に創りあげる、共に生きている実感のある舞台でした。

第2次世界大戦敗戦後の焼け野原が残る中で上演された「女の一生」に
劇場を取り囲む長蛇の列が出来たという事は伝説の様に聞いていましたが、
それが体で理解出来ました。
9.11の後、ニュヨーク市長は「まず、ブロードウェイの灯だ」と言ったそうです。

私は、こんな状況下でも芝居を観に来て下さるお客様の前で演じる機会に恵まれ,
演劇が平和な時だけに必要なものではないと肌で感じながら、
充実した表現時間を過ごさせて貰っています。

今朝の東京新聞に市川團十郎さんのこんなコメントが載っていました。
「みんなが自粛自粛でしょんぼりと縮こまっていることがいいのか懸念している。
批判もあるだろうが、私は縮む心を広げるつもりで舞台に立ちたい」

今日からも丁寧に演じて行きたいと思います。

「凍える心に」への2件のフィードバック

  1. 根岸さん、危険も伴う中、再開、本当にありがとうございます。
    ロングランの公演中、予測もしなかった大きな出来事がおきました。当然ですが、ただ、楽しみだ~と観ていた時とは、こちらも気持ちが違ってきています。

    また断水になって、灯油や石油、ガソリン不足で実家にいる両親は大丈夫か。私は東京で何もできないのか。
    等々思います。
    けれど、こういうときだからこそ、こちらで周りの方々と仲良くして、精神的に支え合って過ごす事が今の私に出来る事です。新幹線走り出したら、様子みに帰りたいです。
    (根岸さんの書かれているように、原発、深刻ですね。恐ろしいです。今後の食物など考えても心配です。)

    今日も友達と観劇行きます。
    心の支えです。
    ありがとうございます。

  2. コメント有り難う御座います。
    大切に演じると言いながら、今日は「非戦を選ぶ演劇人の会」でも支援金を募ろうと
    今迄出演して下さった方々とか関係者にfaxを送る作業に追われています。

    劇場でまた。

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